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Episode11
Episode11'
総集編
人工衛星から見たリオデジャネイロ。 中央やや左に白い小さな楕円形が見える。 少し高度を下げてみる。白い楕円が大きくなる。 ぐっと高度を下げると、世界最大のマラカナンスタジアムが 全貌をあらわす。

 
   
地上に降り立つと、マラカナンは工事中。   宿泊したホテルの前は、コパカバーナビーチ。 コパカバーナの朝焼け。 2006年の正月は、日本はとても寒かった。 寒い国から着くと、真夏のリオの暑さはこたえた。 夜のコパカバーナビーチ。先端を回りこむと、イパネマ。

今回は、いよいよ総集編です。今回使用する衛星写真は、すべてGoogleEarthのものです。

この衛星写真の使用の許諾を得る為にGoogleに使用許可のお願いをしたのが、ほぼ1ヶ月前です。Google社は、2週間程で回答出来るとしています。 許可願いの書類を受け取った担当者の名前も分かっています。DHLの送付証明もあります。10月20日のDVDの発売日も迫って来ました。こちらとしては充分誠意は尽くしたので、今回は見切り発車で、掲載に踏み切ることにしました

ドルトムントでの、日本・ブラジル戦を見届け、その翌々日、Jリーグの原点になったデュースブルグのスポーツシューレを見学してから、デュッセルドルフ経由ヒースローへ、そこから日本に帰国しました。僕の2006Wカップ取材はそこで完了しました。
この取材の始まりは、1月のブラジル行きでした.
往復で70時間を費やしたブラジル取材では、リオデジャネイロ周辺を毎日クルマで走り回りました。
日本に帰ってきてからは、日本代表を追いかけて各地のスタジアムめぐりです。
そしてドイツへ。今度はドイツ国内をほぼ全域に渡って移動です。
ワールドカップの取材とは、飛行機とクルマにひたすら乗り続けることでした。
サッカーというスポーツのワールドワイドな広がりを実感すると同時に、ワールドクラスの選手たちのタフさを知ることにもなりました。

サッカージャーナリストたちの「移動しながら、考え、記事を書く」という、まさにサッカーのような仕事ぶりにも大きな興味を覚えました。

ドイツ取材のベースキャンプになった、ボンのパークホテル。 宇宙から見たパークホテル。前にはちゃんとバス停がある。 カイザースラウテルンのスタジアム。試合開始直前。 試合前日に撮影したスタジアム。

スタジアムが森に囲まれているのが分かる。 実際は山の上にある。 6月13日。ベルリンのスタジアム。ブラジル登場とあって、 74,000人の超満員。ブラジル・クロアチア戦。 このスタジアムで決勝戦も行われた。 GoogleEarthで見ても、特徴的。

ブランデンブルク門にも行ってみた。

宇宙から見たブランデンブルク門。日差しからすると、昼下がりのよう。クルマの少なさから見ると日曜日か。

ニュルンブルクのスタジアム。 この日は、とにかく暑かった。

衛星写真でスタジアムを見つけ出すのは、慣れるまでは難しい作業。これがニュルンブルクのスタジアム。

対ブラジル戦を迎えた。

この日は、やたら寒かった。 ドルトムントのスタジアム。

さて、日本代表です。
今回の取材のテーマは、監督そして人間“ジーコ”です。
ジーコは、2002年のWカップ直後に、日本代表監督に就任しました。これは日本での選挙で選ばれたわけではなく、日本サッカー協会が決定したことです。
僕の心の中では、でも、ほとんど選挙で選んだような、この4年間はジーコに任せようという気分でした。
「任せる」というのは「その結果も甘んじて受け入れる」ということでもあります。

ドイツから日本に帰ってきて、驚いたのはジーコに対する予想以上の厳しい批判でした。監督としての経験や采配に対して、主にヒディング監督と比べられての批判でした。



ジーコという人物がいなければ日本のJリーグ、つまり日本のサッカーがここまで発展することは有り得ませんでした。
日本サッカーの発展に関するジーコの貢献と、
日本代表監督としての能力は別問題だと、人は言うでしょう。
恐らくその通りでしょう。
でも、僕はそれを分けて、別々に考える事が出来ません。
それが長期間にわたってジーコに密着して取材した僕の「弱み」であることは分かっています。
しかし、ジーコのことをあまり知らずに、ワールドカップの結果だけで彼を批判するよりも、ジーコべったりでWカップを見ることが出来たことの方が、僕には収穫が大きかったと思っています。
コーチ、トレーナーそれにプレーヤー、他人が大勢集まってするサッカーというスポーツの難しさ、まして、32もの国の代表が国の威信をかけて争うWカップの難しさは、そうした見方の方が、見えてくるものが多いのではと、今改めて思っています。

僕は長い間ニュース番組をやっていました。
「批判精神第一主義」でずっと仕事をしてきました。
今回の「ジーコべったり主義」が、僕にとってはとても新鮮だったのも事実です。

ジーコが日本にやってきたのは1991年です。
ちょうど15年を日本で過ごしました。
ジーコはとにかく「サッカーが好き」、「サッカーへの情熱」が彼を支えています。
ジーコはブラジルを代表する名選手でした。
そのジーコは、日本代表のプレーを公の場で批判したことがありません。通訳の鈴木氏も言っていましたが、これは大変な忍耐力です。
プレーに関しては「選手が自分で考えるものだ」と言う信念です。
この信念は、日本代表監督になってから一度も揺らいでいません。
しかし、鹿島に来て住友金属に所属していた時から、アントラーズの黎明期までは、サッカーをイチから教える“鬼軍曹だった”と、
鈴木通訳は証言しています。
それが、日本代表監督になってからは「サッカーは、プレーする選手が自分で考えるべき」と言い続けます。
日本サッカーは、手取り足取り教える段階は過ぎたと判断したのでしょうか。
選手には「自由」を与えました。
この自由とは「自分で考える」という意味です。
オシム新監督も「自分で工夫しろ」「頭を使え」と言っています。
トルシェからジーコへ、そしてオシムへ。
この流れはとても興味深いものがあります。

オシムの4年間の、3年目か4年目あたりに、ジーコのサッカーとは何だったのか、その答えが見えてくるような気がします。

ドイツでは、いろいろな方にお会いしました。 まず、この人は知らない人なんですが、「AKITA」のユニフォームを着ていらっしゃいました。ドイツの方です。 ULTRASの植田朝日氏のご両親。本当に良く似ています。 もちろん、朝日氏がご両親に、です。

 

カイザースラウテルンの市長 (左)と、在日ドイツ公使ベルント・フィッシャー氏(中央)フィッシャー氏はこの街の出身 右端は煙山(けむりやま)文京区長。フィッシャーさんと煙山さんとは、日本を発つ前に、 ドイツ大使館主催のパーティーで会ったばかり。

顔は見えませんが、僕の隣は小宮悦子さん。物凄く久しぶりに会いました。 うじきつよしさん。沢松和子さん。

 

木元教子さん。木元さんはTBSの先輩。うじきさんは高校の後輩です。 カメラを持っていない時にも、実に様々な方にお会いしました。短い期間に大勢の知り合いと遭遇しました。 東京ではこんなことは有り得ません。

ここからは“おまけ”です。

Epidode8で「ベルリンで宿泊したホテル周辺の町並みが、リオデジャネイロのイパネマの住宅地とそっくりで、錯覚を起こしそう」という話がありました。写真で見比べて下さい。

ベルリンのホテルの前。 イパネマの住宅地。

さて、長期にわたった今回の取材は、DVD製作が目的です。
そのDVDは10月20日に発売になります。
お値段は¥6,825―です。ちょっと高いですねー。 DVDの監督は、薗田賢次さんです。 映画監督と仕事をしたのは初めての経験でした。 とても楽しい取材でした。
監督は、今ごろ大車輪で編集作業にかかっているはずです。薗田氏の、選りすぐりの写真です

ジーコさんの生家の前で。 ボンの和食の店「上條」で。 今まで「上条」と紹介していましたが、「上條」です。ニュルンブルク旧市街で。大丈夫でしょうか?

ここからは、CAR TOUCHファンの皆様への“おまけ”です。

ドイツを走り回った取材車。まずベルリンからボンへ。 ボンからカイザースラウンテン往復。すぐにベルリン往復。 ニュルンブルクへ。そこからオーストリア国境近くへ。 そこからボンへ。ドルトムント2往復。その間にフランクフルト往復。最後に再び常駐しているベルリンへ。この間ほとんど毎日ボン周辺を走り回っていました。4000キロぐらい走ったと思います。 勿論ディーゼル。燃費はかなり良さそうです。」

ずっと運転していたMrマニュエル。 物凄くタフ。

走行距離では長距離トラックにはかないません。ご覧の通り、ヨーロッパを又にかけています。長距離トラックというのは、その生涯でどのくらい走るものなのでしょうか。


CAR TOUCHの#8で、フランス人デザイナーの グエナエル・二コラさんが、愛車のAUDI A2をプジョー 1007に替えようと考えている話がありました。 ボディーカラーは“黒”だというので、僕は驚きました。デュッセルドルフ近くのアウトバーンで、「黒のプジョー1007」を発見しました。 黒、いいです!

最後に、ニュルンブルクで見た、赤いフェラーリ。


「なお、後日Googleからの許可は無事おりました」
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